飽き性の頭の中

大学院進学に至るまでの陰の立役者

大学院進学に至るまでの陰の立役者

tawachan
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大学院進学を決めるまで、一筋縄では行かず、今思うと大変紆余曲折していたように思う。だが、幸いなことに、一人で悶々とするだけではなく、迷走していた僕と話に付き合ってくれて、自分の思考を整理する手助けをしてくれた友人の存在があった(当人はその自覚は薄く好きでやっていただけかもしれないが)。

今回は、合計約 8 ヶ月ほど、迷走している間に、とても力になってくれたその友人の存在について今回は書いていく。

ことの始まりはゼミのオンライン飲み会

時は遡ること、2020 年の GW。

新型コロナウィルスの流行によりでリモートワークへの急激なシフトを強いられ、結果として IT に詳しくない人でも Zoom という単語を使いこなすようになり始めていたご時世である。

そんな情勢下での最初の長期休暇である GW、多くの人が至るところで「オンライン飲み会」というものをしたのではないだろうか。

僕もご多分に漏れず参加し、そのうちの 1 つであった、大学のときに所属していたゼミの同期との飲み会が、その友人と長期に渡り継続してやり取りをするきっかけとなった。今思えば、現在の選択を決定づける大きな要因だったのかもしれない。

このオンライン飲み会自体は、大人数で久しぶりに顔を合わせた面々ならではで、近況報告で盛り上がっていた。誰々が結婚したとか、子供が産まれそうという報告に時の流れを感じていた。大学院進学を考えているという話をしても仕方がないと思い当たり障りのない話をしていたような気がする。そうして、夜は更け徐々に人が抜けていき、最後に残ったのが、僕とその友人だった。

二人きりとなり最初は若干話題に戸惑った。しかし、その心配はすぐに払拭されたのを覚えている。話題は近況報告から打って変わり最近読んだ本の話になった。その彼は社会心理学を自主的に学んでいるということで、その面白さについて話してくれた。僕も率直な疑問を返したり、あとは大学院の研究計画のために考えていることの話をした。

現役当時からオフでも好き好んで学術書、専門書の話をしたがる人は多くない。ましてや卒業後もそれを自主的にやる人なんてレア中のレアである。久しぶりにそんな話を誰かとできた嬉しさと、深夜テンションも相まって、二人きりの延長線は(たぶん)4 時間にも及んだ。

そしてこれを一度きりの機会にするのは勿体ないと思ったのか、僕が Scrapbox というサービスを使って、最近読んだ本や考えたことを書き込んで共有するというのを提案しとりあえずやってみることとなった。そしたら思いの外気に入ってくれて、そのやりとりは 2021 年度 1 月現在も続いている。

非同期的な情報共有

Scrapbox というのはノートを共有するシンプルなものである。ただ自分が書きたいことを書き込んで、それがたまたま他の人も見れる、それくらいの温度感で使っている。

なので書き込みがあったら必ずコメントをしないといけないわけでもなく、気が向いたときに気になったものがあればコメントをしていく、というとても緩い非同期的なやりとりが始まった。この緩さが長続きしている秘訣なのかなとも思っている。

その友人とはゼミが同じなので興味範囲は被ってはいるのでお互い理解はできるのだが、絶妙に者の見方や関心が違うので、やり取りの中で常に別の視点が得られるところがとても楽しいのである。その友人も同じように感じてくれていることも嬉しさの 1 つであった。

徐々に個人的な悩みまで

最初は本の内容とかが中心だったのが、そこから自分の考えていることの、さらにはプライベートの悩みの吐き出し場所にすらなり始めていた。個人的にはコアな考え方が共有されているので、心理的安全の確保された場所になりつつあった。

当時、僕は大学院に行きたいと思っていたけど、どんな専攻でいけばいいか悶々としていた。そして徐々に大学院進学ではなく起業とかしたほうがいいようにも見えてきたり、選択肢は発散し完全に迷走していた。

そんな悩みなんて恥ずかしくて人に相談するのも難しいしそもそも自分で決めるしかない案件ではあるのだが、そんなことを赤裸々に書き綴っても真摯に返してくれていたのは本当に感謝している。単なる心的理解者ではなく、思考の理解者がいることの心強さを感じた。

こんな感じでやりとりしたおかげで自分の問題を言語化していけたし、納得する方向性を見いだせた。

終いには研究計画のレビューまでしてもらってしまっている。

疎な世界の密な繋がり

大学卒業後、社会における人の繋がりは想像以上に疎であると感じている。人とは常に関わりは持ってはいるが、自分の弱みみたいなものについても安心して話せるような練度(?)のある繋がりは社会人になってからは一層作りづらいものであろう。

そんな世界観の中で、オンライン飲み会をきっかけに偶然「密な繋がり」を持てたことはとても貴重であり、幸運であったと思う。

こうした繋がりを大切にしながら、少しずつ少しずつ、新しいことを進めていきたい所存である。

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