飽き性の頭の中

遅ればせながら2025年に読んだ本を振り返る

遅ればせながら2025年に読んだ本を振り返る

tawachan
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目次
  1. 技術・ソフトウェア開発
  2. セキュリティ
  3. 思想・哲学
  4. 学習・組織論
  5. 社会・政治
  6. 旅行・ガイド
  7. 振り返って

もう2026年1月も終わりかけているが、遅ればせながら2025年に読んだ本を振り返っておこうと思う。

2025年は合計31冊の本を読んだ。技術書、セキュリティ、哲学、学習・組織論など、わりと幅広いジャンルに手を出していた。

どういう本をどんなモチベーションで読んでいたのか、どんな感想があったのか、記録として残しておく。

技術・ソフトウェア開発

AI時代においてドメインをいかに定義できるかがソフトウェア開発において重要だろうということになり、アーキテクチャやドメイン設計について見直すために、オライリーを中心とした技術書を読んだ。

現場で役立つシステム設計の原則

ソフトウェアアーキテクチャの基礎

Tidy First? 個人で実践する経験主義的ソフトウェア設計

ドメイン駆動設計をはじめよう

DDDを現場で使える形で学び直し、実装に落とす視点を得たいと思い読んだ。イベント周りの実装(イベント的な設計、Aggregateと状態更新の関係)が腑に落ち、過去の実装をこうできたかもという反省と学びにつながった。

チームトポロジー

チームとシステムの関係をどう考えるか、チームをAIありきでどう考えていくか役割分担していくのがいいのかの参考にしたくて読んだ。

セキュリティ

セキュリティ関連は全般的に興味で読んだ。情報処理安全確保支援士の試験を受けようともなっていたので、関連図書を読み漁っていた時期があった。

ITセキュリティ・ゼロトラスト概論

リモートワーク・DX・AI時代のセキュリティ課題を「What/Why」から掴み直す目的で読んだ。ABACやOSCAL、SIEM/SOAR、成熟度モデルなど、実装判断のための概念整理が効いた。Microsoft統合 vs ベストオブブリード(Okta)など事例比較も示唆が多かった。

情報セキュリティの敗北史

技術だけでなく学際性(経済学・心理学など)を含む「セキュリティという領域」自体を掴み直したかった。CIAのような基本原則すら問い直す視点が刺さり、サイバーセキュリティは社会インフラとして普遍的な貢献余地があると感じた。

ポートスキャナ自作ではじめるペネトレーションテスト

攻撃者の視点でシステムを理解するために読んだ。

ホワイトハッカーの教科書

セキュリティエンジニアとしてのキャリアを考えていた時期に読んだ。

体系的に学ぶ 安全なWebアプリケーションの作り方 第2版

通称「徳丸本」。Webセキュリティのバイブル的存在。

情報処理教科書 情報処理安全確保支援士 2024年版

情報処理安全確保支援士試験の勉強のために読んだ。ハッキング・セキュリティ学習を「楽しそう」「パズル的」と感じつつ、試験対策として取り組んだ。過去問を解くと、概念理解だけでは7割程度に留まりやすく、回答の作り方を詰める必要があると感じた。リンクは最新版。

思想・哲学

ソクラテスの弁明

ギリシャ旅行の事前準備として「基本を押さえる」目的で読んだ。光文社の方がKindle Unlimitedの読み放題に含まれていたので、岩波より読みやすい印象でこちらにしてみたところもある。

裁判の形式そのものが「弁論の勝負」を生み、ソクラテスは勝ち筋より真理志向を選ぶ。無知の自覚(知らないことを知らないのが最大の問題)と「吟味のない生は生きるに値しない」が核心だった。

バトラー入門

大学院の専門に少し関連していて、当時から名前は知っていたので少しかじってみようと思った。バトラー理論(特に『ジェンダー・トラブル』)がどの現場・文脈から立ち上がったかを、概念よりエピソード中心で掴み直すために読んだ。

欲望・ジェンダー・役割の「不連続性」を肯定するのが核心。ジェンダーは反復的パフォーマンスでありつつ「自由選択」でも「決定論」でもない、という誤読潰しが丁寧だった。大学院時代の友達と読書会することになっていたが、そういえばタイミング合わず自然消滅している。

技術の哲学 古代ギリシャから現代まで

博士に進んだ大学院の同期にすすめてもらった。学術書読解のリハビリも兼ねて、技術決定論・社会構成主義の整理(技術は価値中立ではない)を深めるために読んだ。

技術と社会は相互依存で、設計や導入の時点で政治性が入りうるという結論が強い。ブロックチェーンやAIにも「誘因」「責任」「グレー用途」を当てて考えていて、技術的な専門職をやっている自分としてもささるところがあった。

ベンヤミン「複製技術時代の芸術作品」精読

大学院のときのゼミの後輩とかとの読書会での課題図書。AIが画像生成できるとか作風も模倣できるみたいなところがジブリ風の絵を生成するとかではやったときに、芸術とはそもそもなにかという問いとして気になった。芸術が複製技術で大衆化すると何が変わるか、芸術と政治(メディア)の接点を掴みたくて読んだ。

「アウラ・一回性」から「大衆に浸透する芸術」への転換を、ファシズム・共産主義の文脈まで含めて読み筋を確認した。映画がなぜ特権的なのか、メディア論として読めるのではという問題意識が強かった。

人生に、上下も勝ち負けもありません

精神科医の野村総一郎さんの本。前の上司がすすめていたので読んだ。

学習・組織論

熟達論 人はいつまでも学び、成長できる

学びの本として某氏がマスト本ともいっていたので読んだ。弊社の動画にもあるのでぜひ。

学びとは何か 〈探究人〉になるために

学びをそもそも振り返る機会が会社の中であり、読んだ本。社内でも布教した。

「学習する組織」入門

チームとして変化していくためにはどういう考え方がいいのだろうと漠然と思ったので手に取った。

経営学習論 増補新装版

組織における人材育成を科学する本。「経験学習サイクル」(経験→内省→概念化→実践)の重要性を再認識した。訪問したドクターズプライム1が組織学習に力を入れており、理論と実践を結びつけて考える良い機会になった。

ふだん使いのナラティヴ・セラピー

ストーリーテリングやナラティブという言葉が政治的にも重要なキーワードとなっていたので、ナラティブの本質的な意味を理解したくなった。心理療法という別分野からナラティブの概念を学ぶために読んだ。

ファシリテーションの教科書

スクラムマスターとしての役割を担っていたので、会議体をどう設計・運営するかのために読んだ。「論理の三角形(主張・根拠・前提)」や、コントロール型・共創型など、会議設計の整理が参考になった。

サーベイ・フィードバック入門 ―「データと対話」で職場を変える技術

チームの状況を適切に把握するとはどういうことなのか関心があり読んだ。自分のチームだけでなく、会社全体の組織状態を理解する方法論としても参考になった。

マネジメントは嫌いですけど

Xで見かけて読んだ。

社会・政治

Abundance

左派のネット上での弱さや求心力のなさが気になり、ネット上でも適切なナラティブを展開できている人はいないのかと大学院の同期に聞いたときに教えてもらった。「左派のナラティブ刷新(Freedom→Abundance)」の試みとして読んだ。

供給(住宅・エネルギー等)を増やす「構築するリベラリズム」でゼロサムから脱却、というストーリー設計を評価している。2025年読んでよかった本のかなり上位。

日本語訳がでたのでそちらをおすすめ。

現代日本人の法意識

妻の仕事が法律関係なので、日本人の法意識の特徴に関心を持ち読んだ。

カウンターエリート

大学院同期に献本いただいたので読んだ。これもよかった。

User Comments and Moderation in Digital Journalism

弊社のプロダクトのコメント機能を企画するにあたり、オンライン上の言論空間について考えるために読んだ。ユーザーコメントを仮想的公共圏における相互作用的エンゲージメントと参加として概念化し、コメントの礼儀性・非礼儀性、モデレーション、組織政策、コメント効果といった実践的な問題を扱っていて参考になった。

旅行・ガイド

ギリシア案内記 上

パウサニアスによる2世紀の古代ギリシャ旅行記。

アテネ旅行の際、実際にパウサニアスの案内記を見ながら遺跡を巡った。2000年前の記述と現在の遺跡を照らし合わせるのは感慨深い体験だった。

ギリシャ、アテネの楽しみ方

ギリシャについては素人というか歴史がわからない状態だったので、少し背景がわかるだけでもだいぶ楽しめる度合いが変わると思い、事前に読んだ。

ギリシアの遺跡を訪ねて ―アテネとその周辺―

こちらも同じ理由でアテネ旅行の事前インプットとして読んだ。実際に現地で役立った。

振り返って

いざ並べてみると、結構ジャンルがいろいろだなと思う。仕事関連のことが多いと思いきや、旅行とか思想寄りの本も多少読めている。

セキュリティに関心があったので、昨年に引き続きそこが多くなっている。今年はもう少し政治・社会・思想寄りのものも増やしたい。

そもそも読書量がそんなに多くないので、2026年はもう少し読めるようにしたいと思っている。

Footnotes

  1. ドクターズプライム株式会社。急成長の中で組織学習や共通言語の浸透に力を入れているスタートアップ。参考: 共通言語を浸透させるために「坂井風太さん」を召喚させて頂きました

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