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UGreen NASを我が家にも導入した:写真管理を中心とした自前データ管理の構成メモ

UGreen NASを我が家にも導入した:写真管理を中心とした自前データ管理の構成メモ

tawachan
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目次
  1. NAS導入の背景
  2. UGreen NASを選んだ理由
  3. NASそのものの使いやすさ
  4. 写真管理アプリの使用感
  5. その他のファイル管理
  6. 外部アクセスはTailscaleで
  7. Dockerが使えるのはエンジニアに便利
  8. まとめ

年末年始の9連休を使って、念願だったNASの導入と個人データの移行を進めていた。

UGreen NAS DH2300を導入して、写真を中心とした個人データを自前管理する環境を構築したのだが、これが予想以上にいい感じだったので記録として残しておく。

NAS導入の背景

個人データ、特に写真や動画といった重要な資産を、クラウドサービスに預けっぱなしにすることに不安を感じていた。

Googleフォトはだいぶ前に容量無制限が終了して有料プランになった1し、データの移行も簡単ではない2。月額料金を払い続けるのもいいが、長期的に見るとコストもかかるし、データのコントロールを自分で持ちたいという思いが強くなっていた。

そこで、NASを導入して自前管理する環境を構築することにした。

UGreen NASを選んだ理由

NASを導入するにあたって、いくつかの選択肢を検討した。Synology、QNAP、UGreenなどが候補に上がったが、最終的にUGreen NASync DH2300を選んだ。

理由は以下の通り:

  1. 価格が手頃: 初めてのNASということもあり、廉価版のDH2300を選択した。
  2. 写真管理アプリが良さそう: 事前に調べた限りでは、UGreenの写真管理アプリがGoogleフォトと遜色ないレベルで使えそうだった。
  3. Dockerが使える: 公式サイトからファイルをダウンロードすればDockerをインストールできる3。エンジニアとしては、拡張性が高いのが魅力的だった4

現在、8TBのHDDを1台のみ搭載している5

RAIDは組んでいないが、NAS自体が壊れたときのバックアップとして、別途S3にrcloneでバックアップする仕組みを構築した。

NASそのものの使いやすさ

実際にUGreen NASを使ってみて、NASそのものとしての使いやすさがかなり良かった。

iPhoneアプリもMacアプリも良くできていて、キーボード入力やドラッグ&ドロップといった基本的な操作が快適に動作する。Linuxを自分でリモートでGUI接続するときに、キーボードの対応がおかしかったり、クリップボードの連携がうまくいかなかったりといった、最初に踏むめんどくささが何もなかった。

セキュリティ周りの設定やターミナルを有効化するといったオプションもわかりやすく、かなり直感的に使えた。NAS初心者でも迷わず使えるUIになっていると感じる。

写真管理アプリの使用感

自分にとっては写真管理が一番重要だったので、写真周りの所感も詳しく書いておく。

アルバム作成が簡単

Googleフォトと同様に、アルバムを作成して写真を整理できる。UIも直感的で使いやすい。

アルバムに他の人が写真を追加できる共有URLを発行する機能もあるので、旅行や家族イベントの写真を共有するのにも便利。

顔認識の精度

顔認識機能も搭載されており、Googleフォトと比べても精度はあまり変わらない気がする。人物ごとにタグ付けされるので、特定の人の写真を探すのが楽になった。

重複写真判定が優秀

複数の場所に同じ写真を保存してしまっても、重複写真を検出して適切に取り除いてくれる。Googleフォトからの移行時に同じ写真が複数混ざっていたが、これで整理できた。

類似写真判定がかなりいい

これが一番感動したポイント。一眼レフやミラーレスで連射した写真を、選別せずにそのままLightroomで書き出して保存していたのだが、UGreen NASでは類似写真をバッチ処理で検出してくれる

類似写真が見つかった画面

Googleフォトでは似た写真を自動でグループ化してくれていたが、UGreen NASでは類似写真を探してくれて、その中からいい写真だけ残すという選別が後からでも楽にできる。これはむしろGoogleフォトより便利だと感じた。

ファイル管理の柔軟性

写真アプリの良いところは、実際のフォルダ階層とは独立して写真を扱える点だ。

どんなフォルダ階層にあろうと、写真アプリはフラットに日時を見て並べてくれる。アルバムに入れた後に実ファイルの場所を移動しても、写真アプリの管轄内であれば参照が壊れることもない。

ファイル管理として適切な配置と、写真を見たい単位を別々にできるのは地味にありがたい。自分でフォルダをいじるだけなので挙動が予測できるし、ファイルが変に加工されることもない。この管理ストレスのなさが、NASで写真を管理する大きなメリットだと感じている。

その他のファイル管理

写真以外のファイルは、Google Drive 100GBを引き続き併用している。

Google Driveは、PDFをiPadと同期して閲覧・ハイライトしたり、他のアプリとの連携で使うことが多いので、完全に離脱する予定はない。現状は使いやすさや連携のメリットがあるため、そのまま使い続けている。

ただし、NASにもバックアップとして同期しておくという二重管理にしている。NASでの運用が見えてきたら、将来的にはGoogle Driveの100GB契約もNASに寄せることを検討するかもしれない。

外部アクセスはTailscaleで

UGreen NASには、UGREENlink6というリモートアクセス機能があるが、セキュリティの観点から使っていない

UGREENlinkは、UGreen社のサービスを経由して自宅のNASに接続する仕組みなので、外部サービスに依存することになる。プライバシーを重視する自分としては、この導線を使いたくなかった。

代わりに、Tailscale7を使って外部からアクセスできるようにしている。Tailscaleは、VPN(Virtual Private Network)の一種で、デバイス同士を直接つなぐゼロトラストネットワークを構築できる。

DockerでTailscaleを実行

UGreen NASはDockerが使えるので、DockerコンテナとしてTailscaleを起動している。これにより、NAS自体がTailscaleネットワークに参加し、外出先からスマホやPCでTailscaleに接続すれば、自宅NASにアクセスできる。

TailscaleはP2P(Peer-to-Peer)接続なので、外部サービスを経由せずにプライベートネットワークを構築できる。すべての通信が暗号化されており、セキュリティ上も安心。

Dockerが使えるのはエンジニアに便利

UGreen NASがDockerに対応しているのは、エンジニアにとってかなり便利。

Dockerが使えることで、rcloneやTailscaleといったツールをコンテナとして実行できる。これにより、NASのOSに直接インストールすることなく、独立した環境で様々な機能を追加できる。

S3へのバックアップ構成でも、Dockerを活用してrcloneとcronをコンテナとして実行している。この柔軟性がUGreen NASの大きな魅力だと感じている。

まとめ

UGreen NAS DH2300を我が家にも導入して、写真を中心とした個人データを自前管理する環境を構築した。

実際に使ってみて、以下の点が特に良かった:

  • 写真管理アプリの完成度: Googleフォトと遜色ないレベルで使える
  • 類似写真判定: 連射した写真の選別が後からでも楽にできる
  • Dockerの活用: Tailscaleやrcloneなど、エンジニア向けの拡張が容易
  • 外部アクセス: Tailscaleでセキュアに外部からアクセス可能(NAS全般で可能だが、UGreenでシュッと設定できた)

個人データを自分でコントロールできるようになったのは大きな安心感がある。

NASの導入は初期コストがかかるが、長期的に見れば月額料金を払い続けるよりもコストパフォーマンスが良い。それ以上に、自分でフォルダをいじるだけという挙動の予測可能性や、ファイルが変に加工されることがない安心感は何物にも代えがたい。

年末年始の9連休で何とか移行作業を終えられたが、一番時間がかかったのは間違いなくGoogleフォトからの写真ダウンロードと適切な配置、撮影日時がバグっているものの調整だった…。それでも、自前管理に移行できて満足している。

Footnotes

  1. Googleフォトの容量無制限サービスは2021年6月1日に終了した。それ以降にアップロードした写真・動画は、Googleアカウントの無料ストレージ(15GB)にカウントされるようになった。それまでは「高画質」設定であれば容量無制限でアップロードできたため、多くのユーザーにとって大きな転換点となった。

  2. Googleフォトから一括エクスポートすると、撮影日時などのメタデータが写真ファイル本体には入っておらず、別途降ってくるJSONファイルとツールで何とか合わせると戻せるらしい…という状況。個別ダウンロードならメタデータが残っているので、撮影日時ごとに選択して個別にダウンロードする作業を繰り返した。後になればなるほど残っている写真が増えて大変になるので、今やっておこうという判断だった。

  3. DH2300は廉価版でメモリも4GBと少なめだが、公式サイトからDockerのインストールファイルをダウンロードして導入できた。標準のAppストアでは選択できないため、自己責任での運用となる。

  4. 導入を検討していた当時はDockerが使えることを重視していたが、後から調べるとSynologyやQNAPといったメジャーなNASブランドもDocker対応が標準的だった。つまり、Dockerサポート自体はUGreen固有の差別化要因ではなく、NAS全般の標準機能のようだ。

  5. 2台でRAID1を組んで冗長構成にすることも考えたが、HDD追加費用がかかることと、根本的なバックアップにはならないため、まずは1台から始めた。

  6. Tailscale公式サイト - ゼロトラストネットワークを構築するVPNツール。無料プランでも十分な機能が使える。

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