飽き性の頭の中

親知らずを抜いてきたのでその体験談を書く@千賀デンタルクリニック 上野マルイ医院

親知らずを抜いてきたのでその体験談を書く@千賀デンタルクリニック 上野マルイ医院

tawachan
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今回は、28 歳にしてようやく親知らずというものを抜いてきたので歯医者での体験談を記しておく。

主な目的としては次のとおりである。

まずは、あまり親知らずの抜歯に関する生の情報がなさそうだったことである。すなわち、親知らずに関する情報は往々にして廃車専門のサイトのレビューほどしかなくあまり生の情報があまり見つからず、実際にどうなのかがあまりネットで調べる限りだとわからなかったという自分の経験がある。レビューサイトのリストに並ぶ美辞麗句を眺めたところでどの程度参考になるのかはよくわからないのが現代のネット環境の悩ましいところであろう。

次に、どこで抜歯するかという点に関わる。親知らずを抜くという行為は誰しもが基本的に 1 回しかなく、どの歯科医院でやるのかによる施術の質というものに関して比較することが難しいであろう。さらには歯の生え方など個人の状況に応じてそれも大きく変わるため背景があまり記されていないと自分にとって有用であるか判別が難しい。そのため、少しでも判断基準となるように、自分の状況も踏まえて詳細に記しておくことによって、誰かの参考になればと思う。私も場合は千賀デンタルクリニック 上野マルイ医院にお世話になっているということであるが、その口コミ的な側面もあり、少なくともこの場所が検討に値するかどうか判断してもらえればと思う。

以上のことを伝えられるべく、少しずつ書いていこうと思う。さきほど左半分の親知らずを抜いてきたばかりであるので、このレポートは未だ現在進行系である。そのライブ感も感じながら気が向いたら呼んでいただけたら幸いである。

親知らずを抜くに至った経緯

興味がない人は飛ばしてほしい。ここでは、そもそもなぜ 28 歳というこの半端なタイミングで親知らずを抜くことにしたのかという背景に少し触れておく。

おそらくこの記事にたどり着くみなさんもそうであろうが、親知らずは時間があるときに抜いておいたほうがいいですよという促しは、歯科医院に行くたびに受けてはいた。

それは、基本的に親知らずの生え方があまりよろしくなかったからである。特に左下の親知らずは完全に横に生えており、邪魔こそすれ歯としての機能を十全に果たしてくれるということはおおよそ期待できない状況にあった。単に変な生え方をしてくれているおかげで虫歯の温床になる可能性すらあった——というか事実そうであった。であるならば、百害あって一利なしということで、隙あらば抜いておけという結論に至るわけである。

しかし、虫歯もそうであろうが、日常生活で支障が出ない限りなかなか対処しようとは思わないものである。抜歯を勧められても、やったほうがよいことは明確に理解しつつも、「まぁ、近いうちにいつかやろうかな」と思うにとどまり、そのうち忘れるのが常であろう。

そんな怠惰な長年の対応を変えたのが、つい数ヶ月ほど前のことである。どのようなわけか——歯が動いたのか歯石でも取れたのか——異常にものが親知らずのところに詰まるようになったのである。何を食べても詰まる。これはかなり不快であった。ちょっとの隙間ならたまに挟まってしまい、やむを得ず歯間ブラシで取るなどということになるのだが、こればかりは勝手が違った。挟まるというかそれなりの広さをもって空いてしまっているために、挟まるというより埋まるのだ。

その状況がなんであり、とにかく日常的にストレスを感じるようになったというのが大きなきっかけであった。せっかく忙しくない時期でもあったので、これを気に抜いて日常のストレスから解放されたい、という気持ちが強くなったのである。上がらない腰がようやく上がるほどには煩わしかったのであろう。

歯科医院の選定

ということで、どこで抜こうかという問いが次に浮かんでくる。そこで適当にネットで調べるわけである。

しかし、親知らずを抜く技術動向というものもまったくわからず、そもそも最新の設備が整っていることと親知らずを抜くという行為の質に関係があるのかさえ定かではない。設備が重要なのか施術者の技術が重要なのか、判断基準がまるでわからん。

加えて、複数の場所で施術されて比較するなんてことも基本的に起こらないのでそのようなレポートが世に存在するわけもない。あったとしてもまったく同じ状況の親知らずを抜くわけではないのだからこれもまた厄介な問題である。

まぁ結局は次の点を基準に選んだ。この基準が妥当なのかは何もわからない。

  1. 立地:何回か行く必要があるのであまりに遠くないところである必要がありそうということ
  2. 設備:設備が強そうなところのほうが適切な施術ができる可能性が高そうということ
  3. 口腔外科医:私の場合は横向きに生えていて対応できない場合がしばしばあるということで、大学病院以外でやってもらうとしたら口腔外科医がいるということが半ば必須条件そうだった

こういう条件を満たしつつ、親知らずの抜歯を押し出しているところを選んだ。その結果、千賀デンタルクリニック 上野マルイ医院になったというわけである。

千賀デンタルクリニック 上野マルイ医院の特徴

設備が強いということで、この歯科医院のシステム的にはとても関心した。とはいえ本筋ではないために適当に箇条書きで済ませておく。

  • 診察券はアプリ:受付や予約確認等もすべてアプリでできるので便利
  • 支払いはクレジット可:保険適用の支払いも含めて自動支払機でクレジットカードが使えるのは素晴らしい
  • すべて個室:すべて個室で区切られているので他の患者との接触が最低限

あまり歯科医院に行く経験がないので、これが特徴的なのか一般的なのかはよくわからないが、個人的には珍しいという印象を受けている。

実際の施術の記録

というわけで、何をしたのか、時系列順に書いておく。

1 回目:事前診察

この歯科医院は当日抜歯も可能ということで、当日抜歯があってもよい心づもりで言った。

最初にレントゲンを取り状況を確認される。しかし、横向きの親知らずが下歯槽神経という歯の下の神経に接触しているかもしれないので、詳細を確認すべく CT も必要となり、追加で CT も撮った。

その結果、下歯槽神経には親知らずは触れていない——触れているとさらにことは厄介になるらしい? ——ことは幸いであったが歯の下の歯茎周りが炎症を起こしているのでこれを抑えてからやったほうがよいとのことになった。炎症していると麻酔が聞きにくかったり抜歯後の治癒に影響してくるのであまり好ましくないという説明を受けた。ということで、口腔外科医が出勤する別日にやるという運びになった。それまでに抗生物質を飲んで炎症を抑えることでより万全の状態で抜歯をするということである。

左側をまとめて上下 2 本抜歯して、その後右側をまとめてやるというプランになった。問題の横向きの親知らずは左側なので、実質 1 回目を乗り切れば終わったようなものであろう。

なにはともあれ、当日何も状況がわからない患者が来てもここまで丁寧に状況を整理し説明してくれるのはとても好印象であった。

ということで、この日のやることはなくなったのでせっかくならということでクリーニングをすることになった。歯科医院に来ること自体はとても久しぶりだったので、クリーニングをすること自体には異論はなかったのだが、ホワイトニングなど自由診療を隙あらばお勧めしてくる感じはあまり心象が個人的には良くなかった。

しかも追加的にお勧めされるというよりかは、これからやることを説明するかのようにまず話を聞かされて、最後に「ただ別料金になってしまうのですが」みたいな戦法で来るので少々姑息な感じがしてしまう。まぁ設備も新しいですし、どんなによい設備でやったとしても同じ点数の治療しかしなければ稼ぎが得られないという事情を邪推すれば当然なようにも思いながら、あまり好きにはなれないという印象をもつ。

そして、ひととおりクリーニングが終わったあとに、もっと丁寧にクリーニングをしたほうがよくてそのためには 4 回くらいに分けてやる必要がありますと告げられる。よければ親知らずの抜歯の消毒の回とかに合わせて予約しておきますね、といわれる。それが何でいくらくらいかかって、保険適用なのか自由診療なのかも説明されずに、「は、はぁ、じゃあお願いします」みたいな流れに。

施術の必要性は分かるけれど、そういうものは料金とのトレードオフという側面もあるはずだけれど、そういうことはどの歯科医院でも説明されないのはそういえばどうしてなのだろう。保険適用であろうと出費はしているのだから、必要性だけ告げられて言い値で払う——実際には言い値ではないけれどそのとき価格を把握していないという意味では似たようなものであろう——という立て付けがなぜ成立するのかは今更ながら不思議な話である。

そんなこんなで、初回は終わり支払いへ。CT がかなり嵩み 7500 円…。必要なのは分かるけれど、結局終わってみてから支払いになるまで何をしてもらったのかわからないってすごいよなぁ…。

2 回目:抜歯

2 日後、抗生物質を飲んで炎症も治まったであろうということで実際の抜歯当日。横向きの親知らずは 30 分ほどかかるだろうというお達しを事前に受けていたので少々ビビりながら赴いた。

入るなりすぐに麻酔をされ、あれよあれよと進んでいく。と思ったら、突然リスクに関する同意書をおもむろに出され、説明を受けてサインする。始めてからするなよとは思いながらもまぁそこは突っ込まないでおこう。

そして麻酔が効くのを待つ間に何かを説明を始めた。抜いたあとの状況とかどうなるとかいうので、「なるほどなるほど」と聞いていると、「こういう方法をやると治りが良くなる」みたいな話であった。雲行きが怪しいなと思いながら聞いているとやはり、例のごとく「追加料金がかかるのですが」。またその戦法ですかと思う。

コラーゲンとか言っていたのでたぶんこれなのだろう。

こちとら麻酔も効いていて口の半分よくわからないし、なんかボソボソ言っててよくわからないけれど、

  • 抜いたあとの穴がちゃんと治るのでものが詰まりにくくなる
  • 追加で 1000 円かかる

という情報だけ理解した。自由診療なのは悩みどころだけれど、曲者の横向きの親知らずだし適切に治るならよいだろうと思って受諾した。

もっとも、支払ってみて明細を見たら 1000 円ではなく 11000 円だったわけであるが。やはり自由診療をこういうように途中で口約束的に差し込んでくるのは詐欺ではないにせよ情報の非対称性を狡く利用しているような印象もあるのであまり印象は良くない——11000 円だとわかっていてもやったかもしれないのでそれ自体はいいとしても、やはり手続き的にあまり気持ちの良いものではない。なんであれ私自身の曖昧なままに流されて物事を進めてしまうという性向自体を見直すべきであろう。

というやり取りを終え、そのまま抜歯が始まった。麻酔が効いているのかの確認もなく行くので心配になりながらも、結果的に痛みはなかった。

まずは特に変哲もない上の親知らずの抜歯からスタートした。なんか始まったなと思ったら、「10 秒くらいで上のはもう抜けましたよ、水当てますね」、と。早すぎて、「え?」って声が漏れた気がする。曲者でなければこんなにも親知らずのかんたんに抜けるのかと感動した。

さて、問題の横向きの親知らずであるが、予告とおり 30 分以上かかった。ちょっとずつ砕きながらやっているという感じだった。痛みはないのでそういう意味では苦行ではないのだが、口を開け続けていることと唇が乾燥するというところがなかなか辛かったので、リップクリームをあらかじめ塗っておくことをお勧めする。

加えて怖かったのが、歯茎など別のところを攻撃されるのではないかというメタ的な要素である。歯を砕くためなのか結構な力を加えられるのであるが、そのときちょっとずれて別のところにあたったりしないのだろうか、という別の怖さばかり考えていて少々気が落ち着かなかった。これは、ジェットコースター自体が怖いというよりは本当に壊れないだろうか、という方向で恐怖を感じるのに近い。人為的なミスの可能性はいつだって怖いものである。

結果的には、特に痛みもなく終わったのである。帰宅してこれを書いている今も、麻酔が切れるのにヒヤヒヤしながらもなんとか落ち着いている。

術後にいわれたことは、

  • 結構腫れるだろうということ、通常より長く 1 週間くらい痛みが残るかもしれない
  • 何かを飲み込むのも痛いかもしれない

ということだったので、想像以上に曲者な歯だったのかもしれない。縫合した糸の問題なのかもしれないが、たしかに今つばなどを飲み込むと引っ張られる感じがある。痛いというほどではないが、麻酔が切れたらもう少し痛みが出てくるかもしれない。いずれにせよこの違和感とは暮らしてく必要がありそうではある。

なんであれ、少なくとも術中は痛みなくやってもらえたのはとてもよい体験であった。自由診療のミスコミュニケーション的なものはあれど、抜歯の技術は問題はすごいものであったのだろう——明らかに専門的なことなのだろうけれどそのことはいまいち理解しきれていないのは申し訳ない。

3 回目:抜糸1

抜糸をしてきたので追記する。結果的には、念押しされていたほど腫れずに終わった。というより、ほとんど腫れなかったと言ってもよい。その意味では、なかなか厄介な親知らずであったがこれ異常ないほどにきれいに抜いてくれたということのようである。

当日は、歯の様子の確認から始まった。すでに述べたように親知らず自体に懸念はなく問題がなかった。しかし、それとは別で 2 つの懸念事項があった。

  1. 親知らずを抜いた側とは反対側に鈍痛がある。時によって上も下もある。前日は寝れないほどであった
  2. 親知らずを抜いた箇所に尖った箇所があり下に刺さる感じがする

前者に関しては雑菌が体内に入っていることを懸念してか化膿止めを新たに処方してもらう手はずとなった。

後者に関しては、親知らずの破片か土台となっている骨が露出しているかのいずれかであるということで CT を再度撮って確認することとなった。この CT に関して追加料金はないとの説明があった。何が料金の対象となり何がそうでないのかそのあたりは判然としなかったがかからないので追求はしなかった。

そして CT の確認をしてもらっているうちに、予定されていた歯のクリーニングが行われた。初回にクリーニングした際に、歯周ポケットが広いゆえに奥に隠れた歯石を 4 回に分けて取りましょうといわれてこの予定になっていたが、なぜか今回見た結果歯石が奥に隠れていなさそうなので必要ないということになった。初回に担当してくれたのもこの日に担当してくれたのも同じ方だったので正直何を言っているのかという感じであった。クリーニング関連を担当する方のようであるが、この方に担当されるのは対応の仕方等も含めて何かと少々雑なきらいがあるので少々不安である2

そうしているうちに、CT を結果を説明される。結論からいうと、土台となっていた骨が露出している方であったとのことであった。破片等はなく骨に影響なく歯だけがきれいに摘出されているので極めて施術としては良好であるとのことであった。ただ親知らずが横向きであったのも関係して骨の部分が尖って残り、それが舌などに干渉する位置に偶然あるということが症状の原因であった。

選択肢として、歯茎を少し剥がして削るか、尖ったところも含めて骨が再生して埋まる or 歯茎が覆いかぶさる——もちろんそうならない場合もある、というか完全にそうなる可能性は低い——まで待つかという 2 択であった。結果的に様子見を選択した。さっさと削ってしまえば確実なのだろうが、再び切開してまた縫う——つまりまた翌週抜糸に来る必要がある——のはなんか嫌気がさしてしまい、蓋然性が低いやもしれないがいい感じに治ってくれることに期待してしまった。結果として翌週に再度歯医者に来訪し、その際に様子の確認をしがてら方針を再度検討するという運びになった。

ここでもまた、適切に状況を説明しながら、選択をさせてくれるのはとても親切でありがたい対応であると思った。すでに述べたように、自由診療を織り交ぜてくる商業的なチラツキが結構全面に出てくる人もいれば必ずしもそうでもない人もいる——個人差というよりや約割差だとは思うが——ので、不要なものは適当に流せば問題がないとも感じた。

そして、このあたりの問題が解決し落ち着き次第、反対側の親知らずも適宜抜いていこうということになった。

まとめ

以後、進捗を追加していくと思うが、無駄な内容も含めて詳細に体験談を書いたつもりである。何か少しでも参考になればと思う。

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追記3

施術自体は効率的で素晴らしい。歯の治療に来たが、削ってみると虫歯が奥まで進行していることがわかり神経の除去に移行したが、施術完了までトータルで 30 分で終わるスピード感で驚くばかりであった。

一方で、その後の会計待ちで 20 分ほど待った。同時間帯の他の方は 10 分以内に順次呼ばれて終わっていたので、何かの手違いでワークフローがどこかで止まっていたのだと思われる。20 分たち確認してもらったらすぐに会計・次回予約手続きが行われた。

これに限らず、QR コードを読み取る電子システム的な受付方法なはずなのだが、受付処理完了後呼び出されるのを待っていても呼ばれなかった。終いには院内にいるにもかかわらず本日来られますかと電話が来る始末。

施術は基本的にどの治療をとっても困ることはないのだが、事務的なところで定期的にエラーを引くので少しもったいないなという印象を受けている。

Footnotes

  1. 2022-10-11 追記しました

  2. 再びクリーニングに行ったが、同じ方が担当であった。自分の歯の環境が変わったからなのか、手法が違うからなのか、クリーニングがそこそこ痛いので、あまり好きではない。他のところではチクチクはすれど不安になるほど痛みが来ることはなかった。また、右か左から順番にやってもらっているという安心感があるのが今までのイメージであったが、少々やる順番がランダムにも感じられて、そのあたりも若干不信感を感じている。ただし、この印象が不当であり、私自身の勘違いである可能性はありうる。

  3. 2023-07-08 追記しました